試料合成
2017年9月に購入しました。 水素吸蔵合金を作製する際に用います。 数千度に達するアークを用いて高融点の金属を溶かして合金を作ります。 希土類(La, Pr, Ndなど)-Ni系、希土類-Co系合金を作っています。 試料は1回の溶解時に1つしか作製できませんが、50g程度の試料を作ることができます。 高周波誘導溶解炉で作製するより、歩留が高いので高価な原料金属を無駄なく試料作りができます。
原料を電磁誘導により溶解し、Al合金の研究試料を合成します。 銅製の鋳型を2つ用意しています。円柱形や角柱の試料を作製することができます。 試料サイズはそれぞれ、10φ×50㎜・10㎜×10㎜×50㎜程度の試料を作製できます。
合金試料の組織の均質化のための熱処理に使用します。 最高使用温度は1500℃、常用使用温度は1400℃に達します。 現状では、真空下で合金試料の熱処理を実施しています。 アニール処理、クエンチ処理を実施しています。
結晶構造評価
Cu線源、モノクロメーターによるKβ線の分離、ASCによる試料交換および測定時に自転させることが可能です。 選択配向を減らすことができるので、測定データの質向上が期待されます。 合成した合金試料の定性分析・定量分析を行います。 回折データを用いてRietveld解析を実施し、結晶構造パラメータの精密化を行います。 これまで新規の水素化物相の結晶構造を発見しました。
水素吸蔵放出特性評価
水素吸蔵合金の水素吸蔵放出特性を評価するために使用します。
活性化処理やサイクル試験を行うことも可能です。
チラーやオイルバスを利用して、-80℃から200℃での測定が出来ます。
プラトー圧の高い合金の測定も行っています。
現状では、超格子型水素吸蔵合金の評価に用いています。
中性子回折実験用の重水素化物相の合成も行っています。
組織観察
1000倍程度まで拡大できる光学顕微鏡です。
研磨キズの状態やエッチング後の組織観察に使用しています。
色情報が得られることに加え、観察が容易です。
光学顕微鏡と異なり色情報はなく白黒画像ですが焦点深度が深く立体的な情報が得られ高倍率で観察が可能です。
5000倍程度は、容易に観察可能です。試料交換も単純な作業なので、1日に沢山の試料観察ができるます。
EBSD観察の前に試料表面の研磨状態を確認するのに適しています。
電界放射型の走査型電子顕微鏡です。倍率は1万倍程度まで観察できます。
現状では、主にEBSD観察に使用しています。
測定試料は、鉄鋼材料・Al合金等です。結晶粒径や方位差を評価することが出来ます。
力学的特性の評価
合成した試料の引張強度や伸びといった基本的な特性を測定し評価することが出来ます。
主に、ECAP加工前後のAl合金の特性評価に用いています。
四角錘のダイヤモンド圧子を用いて、試料表面の硬さを評価します。
荷重は0.05から2kgfで測定することが可能です。
ノートPCと接続して、デジタルデータの取得や圧痕の観察もできます。
鉄鋼材料やAl合金の特性評価に用いています。
引張試験前後のEBSD測定の際の目印を付ける際にも利用しています。
三角錘のダイヤモンド圧子を用いて、試料表面の硬さを評価します。
荷重は0.00001から0.19kgfで測定することが可能です。
鉄鋼材料やAl合金の押し込み硬さなどの評価に用いています。